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大人の智恵

入院で差額ベッド代が90万円かかるところが交渉で0円になった

更新日:

私の妻が自転車で転倒して救急車で搬送されたのですが、入院の手続きの際に差額ベッド代が1日9千9百円になりますと言われたのですが、交渉の末0円することができました。

不慮の事故や病気で緊急に入院が必要な場合、大部屋の空きがないので個室に入ってもらいますと言われた場合、普通は許否できず仕方なく了承する場合が多いと思います。

差額ベッド代を0円にした経緯は以下の通りです。



昨年の2月のことです。
仕事中に私の携帯に覚えのない電話番号から着信がありました。

なんだろうと思って電話に出たところ

「〇〇市の救急隊員のAと申しますが、奥様が自転車で転倒され怪我をなさいましたのでご連絡をさせていただきました

という内容でした。

その後2~30分後に再び連絡があり、

搬送先の病院が決まったので来られるようでしたらお越しください

という連絡があり、仕事を切り上げて急いで病院へ駆け付けました。

担当の医師から「診断の結果、大腿骨が骨折していますので入院の必要があります」と伝えられたので手続きに窓口に行きました。

 

受付でのやり取り

受付の女性から入院の手続きや携帯する身の回り品、保証金などの説明があり最後に以下のような説明がありました。

病室は○○号棟の○○室になります。こちらの部屋は特別療養室(差額ベッド代が必要な部屋)なので1泊9,900円となります。

リハビリを含めて3か月程度の入院が見込まれるとのことだったのでほぼ90万円かかることになります。

この金額はあくまで部屋代だけの費用で治療費は別です。

突然のこの出費は痛い!我が家の家計の方が複雑骨折しそうだ。
こういう事態は起こりうるかもしれないと、ある程度想定していたのでそこでこう切り出してみた。

 

Tama
特別療養室へ入る理由は大部屋が空いてないというのが理由ですか?
そういうことです。
Tama
であれば、確か2~3年前に厚生労働省から大部屋が空いてないという理由では患者側に請求してはならないと医療機関に通達が出ていませんでしたか?

今までこのようなことを言ってきた人はいなかったのでしょう。
想定外の質問に一瞬表情がこわばり2~3秒ほどの沈黙の後

では同意書にサインをしていただけないということですか?
Tama
そういうことになりますね。

すると

わかりました、では少々お待ちください。

と言い残し奥の部屋に行き2~3分後に戻ってきました。おそらく上司に確認をとりに行ったのでしょう。
そして

承知しました。では今回は差額代は頂かないことにいたします。

 

ということで予想以上にあっさりと話が付き通常の治療費だけで入院することができました。
正直なところ、そうはすんなりとはいかないだろうと思っていたのですが、厚生労働省の通達の威力は絶大でした。

私がなぜこのような知識を持っていたかというと、差額ベッド代の件について別のサイトで記事にしたことがあるので覚えていたからなのです。

結果としてこの何気ない知識が最大90万円にもなる余計な支出を減らす力となりました。
たったこれだけの知識を知っているかいないかだけで金銭的に大きな差が出たことになります。

差額ベッド代における厚生労働省の新通知

差額ベッド代について病院側の都合による場合は請求してならないという規定がある。

これまでは大場屋が空いていない場合については病院側の都合に当たるのかそうでないのかが明確に規定されていなかったのです。

このことにより全国でトラブルになるケースが多発していたため、2018年度の診療報酬改定に伴って国や都道府県の関係機関に新たな通達が出された。

新通知 差額ベッド料を求めてはならない場合として


(1) 同意書をとっていない。

(2)病院側の「治療上の必要」により入院させる。(感染防止等)

(3) 病棟管理の必要性など実質的に患者の選択によらない場合。
(例)
 特別療養環境室以外の病室の病床が満床であるため。

新通知は(3)の具体例として「特別療養環境室以外の病室の病床が満床であるため、特別療養環境室に入院させた患者の場合」が明記された。

これにより「大部屋が満室」という理由では請求できないことが初めて盛り込まれました。

 

以下の通達文の(8)の③の例の項目に記載されています。

厚生労働省保険局医療課長
保医発0 3 0 5 第6 号 平成3 0 年3 月5 日

「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について(PDFファイル)

ポイント

入院受付の時に特別療養室への同意書にサインを求められた場合サインしてはいけない。
サインをすると本人が望んで入室したことになるので厄介なことになります。
もちろん望む場合はこの限りではありません。

いざというときのためにこのPDFファイルをブックマークしておくか、印刷して保存しておくとよいでしょう。
病院の受付で見せるだけで話は通じると思います。

※入院中は主治医の先生や看護師さんにも良くしてもらい、予定通り3か月で退院することができ、しばらくは杖が必要でしたがおかげさまで今では杖なしで歩けるまで回復しています。

知っている人だけが得をする

私たちの身の回りには以上の例のように知っている人だけが得をし、知らない人が損をするという事柄が多くあります。

コロナ化で大変な世の中となっていますが、このようなときだからこそ余計にお金の大切さが身につまされます。

余分な出費を抑えいかに資産を育んでいくか、そのためにはお金に対する知識を鍛えて育てていくしかありません。

これを10年20年と続けているのといないのではその後の結果に大きな差が出ることになります。

でも文字が多くて堅苦しいのはいやだと思ってる方に以下の本をご紹介します。

カラー刷りのイラスタがたくさん使われていて読みやすく、具体例がたくさん紹介されていますので、入門編としておすすめです。

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本当の自由を手に入れよう

 

「貯める」「 稼ぐ」 「増やす」 「守る」 「使う」 というお金に対する知識を増やし、老後までの期間をどう組み立てていくのかを考えて実行していけば良いのか、年齢に関係なく早く取り組んだ方がアドバンテージは有利になります。

本書には今回の差額ベッド代に関することは掲載されていませんが、なぜならこのことは禁断の裏技ともいえるほど知られていないからです。
ネットで見ても厚生労働省による新通知のことについて触れている記事はほとんどありません。

検索をかけてみたところ赤旗日曜版に「日本中の方々が知っておくとよい情報」という内容で取り上げられている程度です。

 
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