日本から台湾に送られた新型コロナワクチンが無事到着し、現地からたくさんの感謝の声が上がったのは日本でもニュースで取り上げられた。
使用されたフライト便は「JAL809便」で、到着したのは「6月4日」である。
この「80964」という数字には中国に対する日本政府のある強烈なメッセージが込められていたのです。
台湾から送られた感謝のメッセージ







日本は近隣を見渡すと北朝鮮、中国、ロシアなど日本にとっては脅威となるあまりありがたくない国々に囲まています。
そんな中、お互いに受けた恩は忘れない、感謝を忘れず困ったときにはお互いに助け合う。
こんな国が1国でも近くにあるというのは心強いし、両国民のメッセージのやり取りに心が温まります。
809、64に込められたメッセージとは
天安門事件というのを記憶していらっしゃる方も多いと思います。
この事件は民主主義と自由を求めた学生たちが抗議活動を起こし天安門広場を占拠したことから始まっています。
しかし学生たちと政府との交渉はまとまらず、中国共産党は戦車と兵士を広場に送り込み流血の大惨事となった出来事です。
死者数は数百人~数千人と発表されているが正確な人数はわかっていない。
英国で公表された外交文書によると1万人以上とされている。
この事件が起きたのは1989年の6月4日です。
この事件は、中国では徹底的に隠され歴史書から葬り去ってています。
そのため中国の国内では事件に関連したキーワードで検索しても見ることはできません。
事件の名称はもちろん「8964」など事件を連想させるキーワードはすべてブロックされます。
そのため今の若い世代の人はこの事件があったことを知りません。
日本政府が送ったワクチンが台湾に到着したのは6月4日です。
この日は事件が起こった日付です。
そして輸送に使われたフライト便はJALの809便です。
809の0を除いて合わせるとと「8964」になります。
天安門事件が起きたのは「1989年6月4日」、数字の「8964」こんな偶然の一致があるのでしょうか。
中国に対する外交戦略の転換なのか
私はこのニュースを見たときに、驚きとともに日本も戦後から引き継がれてきた体制を大きく変えようといしているのだなと思いました。
日本は1945年8月15日に敗戦を迎え、連合軍側の占領機関(GHQ)が東京に配置された1945年から1952年までの7年間日本は占領軍により統治されることになります。
アメリカが日本を統治するための「米国の初期対日占領方針」というものがあり、そこには「アメリカ合衆国への批判、朝鮮、中国に対する批判はしてはならない」と記されています。
これはこうした国から批判をされても敗戦国なのだから反論することなく相手国の要望を受け入れろということです。
また「近隣諸国条項」というのもあります。
1980年代に入り定めれられた規定だが、これは教科書の検定基準の一つであり、近隣アジア諸国との近現代の歴史事象について、国際理解や国際協調の見地から必要な配慮をする、というものです。
簡単に言えば「中国や韓国に都合の悪いことは教育で教えてはいけない」という教科書検定基準の一つです。
たとえ歴史的に事実であっても相手が嫌がったら記載できないということです。
こうした基準に縛られ日本は戦後70年以上もこれらの国の言い分に従い、反論することを控えてきました。
それが中国が最も嫌がることに対して痛烈なメッセージを込めて台湾にワクチンを送ったということは驚きです。
外交とは国益をかけたパワーのぶつかり合いです。
主張すべきところは主張するという本来の外交の姿勢に日本も遅まきながら転換を図っていくという第一歩を示した出来事だったように思えます。