常識を覆す『湿潤療法』傷を早く治したかったら、消毒しない、乾かさない、ガーゼは使わない
2018/01/14

傷跡を残したくない、痛くないように治療をしたい、早く治したい方は必見。
今まで130年間行われてきた傷やヤケドの治療法は間違っていたのです。 特にヤケドには効果的なのでいざという時のために知っておこう。
今新しい治療法としてモイストヒーリング(湿潤療法)という治療法が広がりつつあります。
今までのキズの治し方は、消毒して、早く乾かし、「カサブタ」を作って治すドライヒーリングという治療法が常識とされてきました。
しかし、この方法だと傷跡が残り、治りも遅いことが分かりました。
医療現場に広がりつつある湿潤療法とは「消毒をしない」「乾かさない」「ガーゼを使わない」という方法で今までの治療法とは正反対と言える常識を覆す治療法です。
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湿潤療法を広めたのは夏井 睦(なつい まこと)医師
練馬光が丘病院 傷の治療センター長 夏井誠医師 、専門は形成外科。
•東北大学医学部卒
•1957年、秋田県生まれ。
•1984年、東北大学医学部卒業。日本形成外科学会認定医。
•2001年10月1日、インターネット・サイト「新しい創傷治療」を開設。
•2003年4月、特定医療法人慈泉会 相澤病院 傷の治療センター長として赴任。
•2007年7月、石岡第一病院 傷の治療センター長に赴任。
•2012年4月より、練馬光が丘病院 傷の治療センター長に就任
湿潤療法を広めた夏井 睦医師と瑞光メディカルとの協同で湿潤治療の専用創傷治療材として開発されたのが「プラスモイスト」である。
必要な滲出液は残し、余分な滲出液は排出し、傷口の最適な湿潤状態を保つために開発された専用の被覆材である。
創傷面にくっつきにくい加工がされているためガーゼを剥がすときのような痛みもない。

練馬光が丘病院の治療例より
症例:5歳女児。
群馬県にキャンプに行っていて調理中に右下肢に熱傷受傷、プラスモイストで処置。
2012年9月18日
2013年2月4日(140日後)
湿潤療法の高い効果を発揮するのが特にやけどの治療である。
今までのやけどの治療方法は薬を塗りガーゼを当てるのが主流であったが、この湿潤療法ではガーゼは使わない。
その理由はガーゼはせっかく上皮化してきた皮膚がガーゼを剥がすときに一緒にむしり取られてしまうからだ。 血がにじむ上に痛い、これを何度も繰り返すのだから治りが遅い上に傷となって残ってしまう。
このようなことを解消し、痛くなく、早く、そして傷跡を残さないように行う治療法が湿潤療法である。
幼稚園で転倒して顔を擦りむいた。
詳しくは
http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/1139/index.htm
- 10月17日
- 12月15日
- 2012年5月8日
- 2012年12月27日
http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/030/index.htm
湿潤療法というと難しそうですがやり方は簡単です。
STEP1:傷口を良く洗う
傷口を水道水で洗い、異物や汚れを綺麗に洗い流します。
STEP2:消毒液は使わない
消毒液は皮膚を再生させようとしている細胞まで殺してしまうので治りが遅くなる
STEP3:プラスモイスト被覆材を貼る
被覆材をハサミなどでキズの大きさに合わせてカットして丁寧に貼り付ける
STEP4:定期的に張り替える
毎日、創洗浄して被服財を交換する。その時にキズを観察し、治り具合や膿がないかを確認しましょう。
STEP5:湿潤液が出てこなくなったら治療が完了です
実に簡単ですね。
小さなお子様がいらっしゃるお宅ではキズやヤケドはつき物といえるのではないでしょうか。
同じキズを治すのでもできるだけ痛くなく、傷跡を残さない手当ての方法と湿潤治療用の被覆材を常備しておけば 慌てないで速やかに対応することができます。
消毒液を使わない理由

一般的によく使われているのがイソジンの消毒液であるが、イソジンの殺菌作用はヨウ素の酸化力によるものである。
従ってその殺菌力は細菌にだけ有効なのではなく,生体細胞全般に分け隔てなく作用するのだ。 従って、細菌を殺すことができれば、人間の細胞も殺すことができる。それが消毒薬だ。
イソジンンの細胞毒性はすでに各論文で明確になっています。
消毒ではなく傷毒なのです。
マキロン、キズドライ、オキシフルなどの消毒薬も同様です。
消毒液は人間の細胞だけではなく「細胞成長因子」も殺してしまう。
ケガをした後の傷から「ジクジク」とした傷を治すために必要な成分が含まれた「細胞成長因子」と呼ばれる非常に重要な滲出液が出てきています。
傷を消毒するということは、傷を治そうとしている「細胞成長因子」をも殺すことになり、かえって傷の治りが遅くなります。
キズを消毒することはキズ口に熱湯を注いでいるのと同じ、キズ口が痛いと悲鳴をあげているのだそうです。
消毒液に関してはバイ菌よりも人間の細胞の方が弱いので更に治りが遅くなる。
ガーゼを使わない理由
ヤケドのような範囲の広い場合、ガーゼで覆う治療法だとガーゼを剥がすと痛い上に血がにじむような経験はありませんか。
ガーゼを剥がす時に出血するのは、ガーゼの網目が傷に食い込み上皮化してきた皮膚を根こそぎむしりとるからだ。 これを繰り返すのだから痛い上に治りを遅らせてしまう。
またガーゼは、創面から分泌される各種の「細胞成長因子」を吸い取って蒸発させ乾燥させてしまう。そのためせっかく治すため集まってきた有用な成分が死んでしまうため傷の治癒が遅れることになる。
ガーゼが傷を覆う材料として一般化したのは,1870年代から80年代の頃とされている。
手に入りやすいこと,安価なこと,滅菌処理しても材質が劣化しないことなどから,ガーゼは不動の地位を占めることとなり、現在でも,ほとんどの医療施設では「傷といえばガーゼ」というのが定着している。
「傷といえばガーゼ」という知識があまりに基本的なものであるため,医者や看護婦になったその日から「傷にはガーゼ」と教え込まれてきたため,その組み合わせが本当に理想的かどうかを考えることすらないまま使われている。
最新の知見からガーゼはむしろ創面の破壊材料ともいえることが分かってきている。
今までのこのような欠点を解消するのが「湿潤療法」です。
キズを乾かさないで湿潤状態を保つ理由
湿潤療法の大きな特徴は傷口を乾かさないということにあります。
ケガをした後の傷からは傷を治すために必要な成分が含まれた非常に重要な滲出液が出てきています。この重要な傷を治す成分が生きていけるためには水分が必要です。
乾燥した砂漠ののような環境では死んでしまいます。
死んだ細胞は「かさぶた」となります。
死んでしまった細胞からは新しい細胞は生まれません。
かさぶたは傷が治らない時にできるものです。
かさぶたは表皮細胞が傷口を覆うのを邪魔するだけでなく、傷跡を残す原因となります。
かさぶたができて喜んでいてはいけません。
そこで、専用の被覆材をを当ててキズを常に湿らせた状態にする事により、人間が持っている自然治癒能力を最大限に活かすことができるのです。
必要な滲出液は残し、余分な滲出液は排出し、傷口の最適な湿潤状態を保つために開発された専用の被覆材がある。
その中で湿潤療法を広めた夏井 睦医師と瑞光メディカルとの協同で湿潤治療のために開発されたものに「プラスモイスト」というものがある。
プラスモイストP1及びP3
調剤薬局・薬局向け 切り傷からヤケドまで幅広く対応できる。
片面に防漏層があるため滲出液を側面に排出する。
熱傷を含めあらゆる傷に使えて便利ですが、厚みがないため浸出液が多量の場合にはこまめな交換が必要となりますが、湿潤量の少ない傷ならば充分対応できるので家庭に常備しておけば、いざというときに安心です。
詳しくはこちらからズイコウメディカル公式サイト
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プラスモイストTOP
滲出液の多い床ずれなど、紙おむつなどに貼り付けて使うことが出来る。
プラスモイストTOPは、プラスモイストPの創傷接触面のみを分離させた製材で片面に粘着面があるので二次ドレッシング材(ガーゼ、オムツなど)に貼り付けて使える。
また貼り付ける二次ドレッシング材を変えることにより吸収量をコントロールすることが出来るので量の多い浸出液に対応することが出来る。
※ドレッシング材とは創傷からの滲出液や膿などの吸収の目的で傷を覆う被覆材のことである。
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プラスモイストDCRとプラスモイストDC
とびひ、あせも、アトピー等の皮膚疾患のひっかきキズの保護に
プラスモイストDCR 【医科向け】医療現場で使い易いロール形状 サイズ=125×3000mm
プラスモイストDC 【一般向けパッケージ】 サイズ=125×125mm 5枚入り
プラスモイストDCR、DCの機能
1) 通気性に優れ、ムレにくいので、とびひ、あせも、アトピー等の皮膚疾患のひっかきキズの保護に簡単に使用できます。
2) キズから出る浸出液をすばやく吸収します。
3) 固着しにくいので、交換時の痛みも少なく快適です。
4) 自由にカットして使用できるので経済的で、また、表裏が無いので、指・脇の間に挟むなど、自由な使い方が可能です。
DCは、少量包装パッケージ、DCRは、箱入りロール状。
とびひ、あせも、アトピー等の皮膚疾患のひっかき傷の保護に特化した非固着性吸収パッド。
・動かないように絆創膏固定する
・1日1回張り替える。 ・患部がツルツルして滲出液が出なくなったら治療終了。
プラスモイストDCR、DC 瑞光メディカル公式サイト
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ハイドロコロイド包帯

薬局向け一般市販品 一般家庭用に向けて開発された商品、単位面積あたりの価格の安さはダントツを誇り 従来のハイドロコロイド絆創膏の1/4程度の値段である。
ハイドロコロイド包帯は最先端の医療現場で使用されている安全性と有効性を担保された医療機器(プラスモイスト)を一般家庭向けとして開発された専用の治療材である。
ロールになっているというだけで包帯として使うものではありません。
素材にハイドロコロイドを使用しているので傷の大きさに合わせてハサミで切ってこのまま直に使える。
市販されている湿潤治療用の救急絆創膏の大型シート版と思っていただければよい。
ヤケドや傷には紫外線は傷跡を残しやすくしてしまうため大敵ですが、このハイドロコロイド包帯の優れているところは紫外線全領域で、透過率は5%以下であり、あの「エアウォールUV」とほぼ同等の遮蔽率となっている。
下記の写真のように顔のキズやヤケドにはハイドロコロイド被覆材(包帯)が便利
あまり浸出液の多くない顔のキズにはハイドロコロイド包帯が使いやすい。
薄いためかさばらす、半透明のため目立ちにくいので顔や指の傷には最適。
また防水性もあるのでそのままお風呂に入っても大丈夫。
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医療現場向けに開発されたUVケア専用テープで紫外線を97%カットすることが出来、またプラスモイストなどのドレッシング材を固定するのにも使える。
- 湿潤量、小 → 大
- 一般市販品 → イドロコロイド包帯 → プラスモイストP → プラスモイストTOP
湿潤療法の注意点(湿潤療法をしない方が良い場合)
・強い痛みがある場合
・傷の周囲が赤く腫れている場合
・熱を持っている場合
すり傷切り傷
・砂や土、木片、土や金属などが入っている場合
・キズが深い(組織などが見えている)
・傷口がパックリ開いている ・キズの面積が大きい(手のひらより大きい)
・切った刃物が汚れていた
・出血が止まらない
・指や手足がしびれている
噛みキズ
・動物にかまれた
・人の歯でかまれた
刺しキズ
・刃物を深く刺した
・古い釘を刺した
・木片などが刺さり傷口に残っている
やけど
・やけどの面積が大きい(手のひらよりも大きい)
・大きな水泡が出来ている(5cm以上)
・湯たんぽ、低温やけど
以上のような症状がある場合は抗生剤の投与、破傷風ワクチンの投与または切開などの治療が必要な場合があるため必ず医師の診察を受けましょう。
広がりを見せる湿潤療法
130年間続けられてきた治療法を真っ向から否定する治療法のため権威を重んじる学会からはなかなか認めらにくいのだが、しかし、現実に早くキレイに治ってしまうのだから否定しようがない。
皮膚科へ行っても現在のところ従来の方法で治療を行うところがほとんどです。
筆者の知り合いで入れたての熱いコーヒーを膝にこぼし、こぶし大のやけどをしたため、近所の皮膚科に1ヶ月通ったがなかなか治らないと悩んでいるという話を聞いた。
それならばと湿潤療法を薦めてみたところ1週間で上皮化してきたとのこと。
本人いわく治療の度にガーゼを剥がす時の痛いこと、そして出血する、それが無いだけでもありがたかったが、その上治ってきたのだからと感謝された。
このようなことから取り入れる医師も増え、医療機関においても湿潤療法を取り入れる病院が着実に増えてきています。
日本褥瘡(床ずれ)学会などでは新しいイビデンスとしてすでに湿潤療法を取り入れています。

http://soukai213.com/moisture-treament
大切な家族のペットの創傷治療にも有効です。

http://soukai213.com/dog-treatment