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血液をサラサラにする薬を服用して血が止まらないときにアルギン酸塩被覆材で止める

   

血液サラサラ

抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を服用していると出血した場合に血が止まりません。

心臓や血管の病気のある人で、血液が固まりやすい状態になることがあります。
心不全や不整脈で血液の流れが悪くなると、滞った血が固まりやすくなります。

この場合、『ワーファリン』などの抗凝固薬を使います。

人工透析の場合は血管に針を刺し、血液を体外に取り出します。
ダイアライザと呼ばれる透析器に血液を通すことによって、血液中の余分な水分や老廃物をきれいに取り除き、浄化された血液を再び体内に戻します。
このときに血液が固まらないようにするため抗凝固薬を使用します。

 血液をサラサラにする薬を使用しているのですから、傷を負った場合、あるいは鼻血、歯茎からの出血が止まりません。

今、キレイに痛くなく早く治すという治療法が注目を浴びて徐々に広がりつつあります。
その治療法の名は「湿潤療法」と言われていますが、今まで常識とされてきた治療法とは正反対の治療法で、消毒はしない、乾かさない、ガーゼを使わないやり方です。

この治療法を提唱してきた夏井睦医師をはじめ2001年ごろから医療現場でも賛同する医師らによって急速に普及が図られ現在では新しいイビデンスとして各学会でも取り入れられています。

その夏井睦医師が抗凝固薬を使用していて指を損傷し、出血した患者さんの止血方法の有効な方法を紹介しています。

Photo: undefined by MamaYe Africa

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夏井睦医師による練馬光が丘病院の治療例より

湿潤療法による治療例(右環指受傷)

症例:95歳女性
心房細動があり,70代の頃からワーファリン内服を続けている。折りたたみ椅子に右環指を挟み受傷。

  1. 受傷時の状態。末節部腹側の大部分の皮膚が欠損している。ガーゼで拭いても拭いても出血が止まらない。

  2. 直ちにアルギン酸塩で被覆。5×5cmのアルギン酸塩で覆い,患肢挙上を続けたところ,3分後には出血が止まった。

  3. 新しいアルギン酸を貼付し,フィルムドレッシングで密封した。

  4. 受傷2日目の状態。完全に止血されているのがわかる。 14日目の状態。

  5. 受傷後22日で完全に創は上皮化した。指の形態も良好。

湿潤療法による治療例(右環指受傷)

症例:78歳の男性
10年前から週2回の人工透析を受けていて,透析から帰ったその日に包丁を使っていて手が滑り、受傷。直ちに当科を受診。
以前、同じような怪我をしたとき救急外来で止血に3時間を要したと言う。

  1. 受傷時の状態。だらだらと出血が続いている。

  2. アルギン酸塩で被覆。第1例目と同様,3分程度で止血が得られ,新しいアルギン酸に張り替えて帰宅。

  3. 翌日の状態。さすがにアルギン酸は真っ赤(真っ黒?)になっていたが,外には染み出ていなかった。

  4. アルギン酸塩を除去したところ。出血は完全に止まっている。直ちに水道で患部を洗わせたが、疼痛は全くなかった。

  5. 受傷後3日目。既に上皮化が進行しているのがわかる。

  6. 受傷後11日目,創は完全に上皮化した。

どちらの例も、受傷後2日目まではアルギン酸塩で密封し、それ以降はポリウレタンで被覆している。

http://www.wound-treatment.jp/wound100.htm

 

アルギン酸塩とは

アルギン酸は、褐藻などに含まれる多糖類で、食物繊維の一種であり、アルギン酸は自重の15~20倍の水分を吸収し、滲出液などのナトリウムイオンを含む水分を吸収するとゲル化します。

このゲルが創面の湿潤環境を保ちます。ゲル化する際にカルシウムイオンを放出することで、極めて強力な止血効果を有します。

抽出されたアルギン酸塩を繊維状にして不織布にした創傷被覆材がアルギン酸塩被覆材であり、新鮮外傷に使用する場合、強力な止血作用は非常に有用である。

商品名ではプラスモイストヘモスタパッド、カルトスタット(Convatec)、ソーブサン(アルケア)、アルゴダーム(Smith & Nephew – Japa)、クラビオAG(クラレ)など。

 

プラスモイストヘモスタパッド

創傷面の乾燥を防ぐ構造になっているため二次ドレッシング材は不要、サージカルテープや包帯、ネット等で固定すれば良い。

 

アルゴダーム

ジェル材は単独において乾燥により硬化するため、固定用のドレッシング材、二次ドレッシング材を併用する必要があります。

二次ドレッシング材とは 片面が粘着性で透明。他のドレッシング材の固定にも用いられるが家庭で応急処置する場合は食品包装用ラップフィルムでも代用可。

 

 

血液をサラサラにする薬などを使っていない場合でも家庭の救急箱に応急手当の常備薬として、また災害時の応急手当に使用する備蓄品として備えておくと心強い。

ボクシングの試合で流血した場合、短い時間で止血しなければならないため、アルギン酸カルシウム塩とワセリンを混ぜたものを使い止血しているセコンドもおられるようである。

 - ■カラダ

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