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ヌーハラなんて気にしない、麺は「すすってこそ美味しくなる」その理由とは

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ヌーハラ

 

最近ヌードルハラスメントという言葉がネット上で話題となっている。
略してヌーハラというのだそうだ。

「日本人がラーメンや蕎麦などの麺をすする音が外国人に精神的な苦痛を与えている」というのだ。

外国人の前でラーメンを食べるときは控えるべきだ

という主張も出ておりこれに対して

食文化の違いだ、嫌ならラーメンを食うな

などと様々な意見が対立しヌーハラという言葉が注目を浴び論争となっている。

ヌーハラ論争の発端となったのが以下のツイッター上のつぶやきが元のようです。

 

「欧米では音を立てずに食事することを子供の頃からしつけられてます。しかし日本では『ズズーズ』と野生動物のように音を立てて食べることを強制されます。それが欧米人からすれば差別以外の何物でもありません」

 

このツィートが拡散されやがてテレビの情報番組でも取りあげられヌーハラ論争が勃発した。
番組内で日本に住む外国人に聞いてみたところ

すごくうるさい」「不快でイラっとする」「トイレの音のよう

という意見もあり「ヌーハラ」論争がさらに拡大している。

今や外国人観光客にも大人気のラーメン、あるアンケートによると寿司とてんぷらを抑えて食べたい日本食の1位に上げられているという結果も出ている。

すでに外国人観光客が年間で2000万人を超え東京オリンピックを控えさらに増えていくことが予想される。
そのため「外国人がいるときは音を立てて食べるのは控えたほうが良いのでは」という主張にも一理あるが、すすって食べることの意味を考えてみたい。

日本人はなぜラーメンなどの麺類をすすって食べるのか、そこにはさらに美味しく食べるための工夫があったのだ。

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麺をすすって食べるのには美味しく食べる科学的な根拠があった

 

ラーメン

 

ラーメンの美味しさを決めるのはスープだ。

日本のラーメンはダシを取る。

ダシの元となる素材には、鶏がら、丸鶏、豚骨、げんこつ、あたま、豚足、背油、煮干し、かつおぶし、昆布、野菜などたくさんのものが使用されておりコレが「うま味」となるのだ 。

日本の料理人は、昔から、食材からいかにうま味を引き出すかということに最大の努力をしてきました。
ラーメンはこの和食文化の進化系ともいえるほど、一杯のスープに様々なうま味が凝縮されているのです。

やはり、ちゃんとだしをとった料理は雑味がなく飽きがこない、 うま味成分がしっかり出ていて本当に後を引くものだ 。

だしには「うま味」という味がありこれは日本人が発見したものです。

 

英語には旨みに対応する言葉がないため、近年では、国際的にも学術用語として「umami」が使われるようになっているそうです。

「うま味」は「甘味」や「苦味」などと同様、味の基本である5 基本味の1 つで、「旨味」は食品の「お いしさ」を表す。 この旨みという概念は日本独自のものであり外国にはなかった。

「うま味」は1908 年東京帝国大学の池田菊苗博士が、昆布の味には「甘味」、「塩味」、「苦味」、「酸味」の いわゆる4 基本味のいずれでもない味があることに気づき、その成分がグルタミン酸ナトリウムであることを発見し、「うま味」と 命名し、第5 の基本味であると報告した。

しかし、欧米では「うま味」の発見からしばらくの間、「うま味」が基本味であることが受け入れられなかった。

日本 では各種うま味成分の発見以降、うま味の味覚生理学的,食品化学的な研究は盛んに行われてきたが、2000 年米国の Chaudhari のグループがラットを用いた生理学的実験からうま味のレセプターを発見し、これまで「うま味」には無関 心とされていた海外においての発見は国内の味覚研究者にとってセンセーショナルなものとなった。

以後、海外におい てもうま味の味覚生理学的研究は盛んになり、新たなレセプターの発見から、うま味がどのようにして脳で認知されて いくかのメカニズムまで解明されつつある。

今では「うま味」は 「umami」として世界中で共通の用語とされている。

 

そして麺類を食べるときにその「うま味」をさらに感じることが出来るのが「すする」ということなのだ。

ワインのテイスティングもコーヒーのテイスティングも味を細かく分析するときにはズズズと音を立ててすするのだ。

その理由は舌にはいろんな場所にセンサー(甘さ、塩味、酸味、苦みなどを感じ取るもの)があります。 空気を含み口の中にまんべんなく行き渡らせることによりそれぞれの味を感じ取りやすくなります。

また麺をすすることによってうま味成分が気化し、それによって喉の奥から鼻の奥に伝わる経路が刺激され、ダシが持つ様々な繊細な風味を楽しむことができ、また脳もよりおいしいと感じることができるのです。

つまりすすりながら食べるのは日本人が発見した「うま味」を味わうための科学的で合理的な食べ方だったのだ。

美味しい物をさらに美味しく味わうための工夫なのだ。

 日本人がラーメンをすすって食べるのは熱いものを冷ましながら食べるためだと解説されているものもありますが、本質はより美味しく食べるためです。
冷たいざるそばも日本人はすすって食べますが、それはそばの香りとそばつゆの美味しさを堪能するためです。

ヌーハラを気にしていたら本当の美味しさは味わえない。

 

「うま味」の大切さ、子供の一生の味覚は離乳食で決まる

 

ヌーハラ

 

 

味覚で感じるものに「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」という4つの基本の味覚ががありますが、それ以外に説明できない味覚が「うま味」です。

離乳期の味覚が形成されるためのとても大切な時期にこの「うま味」を経験することで繊細な味が分かる味覚が形成されるようです。

日本人の繊細な舌の秘密はここにある、この時期にあまり濃い味のものを与えるとその味覚は養われにくくなるので注意が必要だ。

外国人にはこの「うま味」という概念は一般的にはないが、うまみが凝縮されているラーメンのスープを味わったときに体感的に美味しいと感じるのであろう。

 美味しい物をより美味しく味わう食べ方のどこがいけないと言うのだろうか、むしろ美味しさを味わいつくすのであれば、おもてなしとして外国人観光客に積極的に教えてあげてもいいのではないだろうか。

 
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