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なかなか治らない風邪は細菌性の風邪かも知れません「風邪の種類」

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風邪の種類Photo: undefined by Aikawa Ke

風邪には二種類あるということをご存知ですか。

風邪にはウイルス性の風邪と細菌性の風邪の二種類があり、ウイルス性の風邪には抗生物質は効きません。

ウイルス性の風邪は症状も軽く、比較的短期間で自然に治ってしまいますが、細菌性の風邪は症状が長引きます。

風邪を引いてなかなか治らないときは細菌性の風邪かもしれません。





風邪の大半はウイルス性の風邪である

一般的に風邪と言われるものはウイルス性のものを指し90%以上を占めます。
残りの1割が細菌性によるものです。

ウイルスは細菌よりずっと小さく、自分で細胞を持っていません。
ウイルスは自己増殖ができないため、宿主細胞に侵入してその細胞内で増殖する必要があります。

ウィルスの大きさは、人の細胞の大きさよりも小さいので、人の細胞の中にいても、3日もすると、数がぐっと減っていきます。
そのため、ウイルス性の風邪の症状のピークは2~3日目にあり、そこから先は徐々によくなっていきます。

5日以上を過ぎてもまだ悪化しているというのは、ウイルス性の風邪ではなく細菌性の風邪の可能性が高いと言えます。

ウイルス性の風邪と細菌性の風邪の症状の違い

ウイルス感染は、複数の臓器に同時に感染することがあるため、咳、のどの痛み、鼻水など、複数の症状が同時に出ることがあります。

一方、細菌感染は基本的に1つの臓器に感染します。
細菌感染では、咳、のどの痛み、発熱などの症状があり、どれか1つの症状が非常に強く出ることが特徴です。

風邪を引いている期間の長さも、ウイルス性の風邪は3〜4日程度であるのに対し、細菌性の場合は5日以上と長くなる傾向があります。

5日経っても治らない風邪の場合は、ウイルス性の風邪ではなく、細菌性の風邪が疑われます。

また、37℃前半の熱が5日以上続く場合にも細菌性の風邪が疑われることがあります。

細菌はウイルスよりも大きく、人の細胞に入り込まなくても生きていけます。
細菌は自分で増殖していくため、細菌性の風邪の場合には、抗生物質を使って細菌を殺さないと治りにくい傾向があります。

肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ、カタラーリス、黄色ブドウ球菌などが、風邪に関連する細菌の代表的なものです。

また、風邪や感染症にはウイルスや細菌以外にも原因があるため、必ずしも症状から100%その原因が特定できるわけではありません。

症状が長引く場合は医療機関で診察を受け、必要に応じて適切な治療を受けることが重要です。

一般的なウイルス性の風邪には抗生物質は効かない

風邪は、200種類以上のウイルスが原因となっており、同じウイルスでも様々な変異体が存在するため、それぞれに効果のある抗ウイルス薬を開発することは困難です。

現在、風邪のウイルスに効果のある薬は開発されていません。
したがって、風邪を引いた場合は、栄養と睡眠を十分にとり、自分の免疫機能に頼るしかありません。

風邪薬に含まれる成分は、風邪の症状である熱、鼻水、咳などを和らげるための対症療法薬です。
ただし、ウイルスは体温が低いと活発になり、高いと活動が鈍くなるため、免疫力が最大限に働くように体が体温を上げるために熱を出します。

そのため、かかり初めの段階で解熱剤を服用すると、免疫力が低下して風邪の症状が長引く可能性があります。
したがって、医師は風邪薬の乱用を避けるように指導しています。

一方、細菌性の風邪の場合は、抗生物質を使用して細菌を殺す必要があります。
細菌は、人の細胞に入らずに生き残ることができるため、ウイルスよりも手強く、治療期間が長引く可能性があります。

ただし、抗生物質は細菌を攻撃することができますが、ウイルスには効果がありません。

風邪の症状がウイルス性のものか、細菌性のものかを正確に診断することは困難です。
そのため、約1割が細菌性の風邪だということを想定し、抗生物質を処方することがあります。

また、風邪の症状で体が弱っているため、細菌による二次感染を防ぐためにも、抗生物質が処方されることがあります。

しかし、すべての風邪に抗生物質が効くわけではなく、風邪には全て抗生物質が効くと信じている患者がいるため、患者から強く要求された場合に出されることがあります。

医師3365人に聞く、「かぜ」に抗菌薬を出す理由

●ほとんど処方することはないが、患者の希望が強いとき、特に高熱で細菌性感染の可能性も完全には否定できないケースでは出してしまうこともある。本当は出すべきではないと思うが……。出す場合には抗菌作用の強いペニシリン系をできるだけ短期間で処方する。(40代勤務医、内科系専門科)

●いわゆる「かぜ」が細菌感染症の続発を招くことがある。患者はなかなか再診してくれないので、最初から抗菌薬を投与しておくことが多い。(50代勤務医、一般内科)

●高齢の患者が多く、二次感染による重症化の方が恐ろしい。(50代勤務医、消化器外科)

●抗菌薬使用を制限したいのなら、きちんと制限要項を決めない限り、我々も処方せざるを得ないところがある。「××のときでないと、抗菌薬を処方してはいけない」となってくれれば、それを盾にして抗菌薬処方を拒否できるのだが。法令遵守が叫ばれる今日において、「(医師側のみの)努力目標」では話にならない。(30代勤務医、消化器外科)

●ただ漫然と処方していました。今後はガイドラインに従って、しっかりしなくては。 (40代勤務医、小児科)

出典 日経メディカル

 

何かにつけ抗生物質がよく処方され私たちもその恩恵に預かっているのですが、近年抗生物質を使い過ぎることが原因で新たな問題が起きている。

それは抗生物質の乱用であらゆる抗生物質が効かない「耐性菌」(関連記事»)が増えてきている事があげられる。

治る病気が治らない!? ~抗生物質クライシス~

細菌感染の治療に欠かせない抗生物質。新薬の開発が滞る中、「最後の切り札」的存在の抗生物質まで効かない耐性菌が登場し、使える薬がなくなるという危機感が高まっている。

中耳炎では、耐性菌により治りにくい患者が増加。NICUでは、母親が知らずに持っていた耐性菌が母子感染し、新生児が亡くなるケースも起きている。

特に警戒されているのが、CREという腸内細菌の耐性菌。

腸内に保菌しているだけでは無害だが、血液中に入って炎症を起こすと、使える薬がほとんどなく、世界中で死者が出ている。

日本には少ないと考えられていたが、初めての全国調査により、この1年で1700人以上の感染者がいたことが明らかになった。

最新の研究により、CREが様々な種類の菌を耐性菌に変えてしまう性質を持ち、従来の検査体制では発見が難しいこともわかってきた。

WHOは去年「このままでは近代医療が成り立たなくなる」と警告。

風邪など本来抗生物質が不要なときに使用しないことで「耐性菌を生みださない」取り組みや、これまで対策が行き届かなかった在宅ケアや介護の現場で「耐性菌を広げない」取り組みも始まっている。

出典 NHK クローズアップ現代

風邪の時は病院に行った方が良いですか?

風邪薬、治らない

アメリカ内科学会(ACP)がエビデンスを集めてまとめた論文では次のように書かれています。

自宅療養でいい症状
38℃以下、鼻汁が透明感がある、咽頭痛が軽度、咳嗽が軽度
症状が軽度で、通常の生活に支障がない場合は、自宅での自己治療を行うことができます。

早めに病院を受診した方がいい症状
39℃以上、鼻汁が黄色か緑色、咽頭痛が激しい、咳嗽が激しい、38℃以上で他の症状も見られる時、65歳以上、糖尿病、慢性呼吸器疾患、心疾患、腎臓病などの基礎疾患がある場合 。

具体的な症例

  • 高熱が続く場合
  • 呼吸困難や胸の痛みがある場合
  • 意識障害やめまいがある場合
  • 頭痛や筋肉痛が重度である場合
  • 嘔吐や下痢がある場合
  • 免疫力が低下している場合(例えば、がん治療中、臓器移植後、HIV感染など)
  • 妊娠中の場合

また、以下のような基礎疾患がある場合にも、早めに医療機関を受診することが望ましいです。

  • 糖尿病
  • 慢性呼吸器疾患(例えば、気管支喘息やCOPDなど)
  • 心疾患
  • 腎臓病
  • 免疫不全症候群(例えば、HIV感染など)

以上のような症状や基礎疾患がある場合は、早めに医療機関を受診し、医師の指示に従って治療を受けることが大切です。

 

 
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